専業主婦の亜湖は、365日、愛する子どもと2人きりの家で、いつしか息ができなくなっていた。ある日、高校の同級生である真山郁美と再会。有名な夫を持ち、広告会社でキャリア構築真っ最中の郁美は、妊娠を子ども嫌いな夫に言えずにいた。互いの痛みに吸い寄せられるように、再会した2人。亜湖から郁美へ、郁美から亜湖へ。互いのSOSが、初めて届いたとき、どこかで歪んでしまった“幸せ”を取り戻そうと走りだす――。
中嶋駿介