秦と趙の全てを懸けた<馬陽の戦い>で、敵将を討った信と仲間たちの前に突如として現れた、その存在が隠されていた趙国の総大将・龐煖。自らを武神と名乗る龐煖の圧倒的な力の前に、次々と命を落としていく飛信隊の仲間たち。致命傷を負った信を背負って、飛信隊は決死の脱出劇を試みる。「俺たちで、信を守り抜くんだ――」。一方で戦局を見守っていた王騎は、趙に潜むもう一人の化け物の存在を感じ取っていた。龐煖の背後で静かにそびえる軍師・李牧の正体とは? 王騎と龐煖はなぜ馬陽の地に導かれたのか? いま、因縁が絡み合う馬陽の地で忘れられない戦いが始まる――。
佐藤信介