内モンゴルに広がるフルンボイル草原に暮らす一組の夫婦。夫のチョクトは都会での生活を望んでいるが、妻のサロールは今の暮らしに満足している。ここではないどこかへ思いを巡らせ、ふらりといなくなるチョクトに腹を立てながらも、彼を愛するサロール。どこまでも続く大地、空を流れる白い雲。羊は群れをなし、馬が草原を駆けぬける。だが、自由なはずの草原の暮らしにも少しずつ変化が訪れ、徐々に二人の気持ちがすれ違いはじめる。そして、ある夜、二人は大きな喪失を経験する。その日を境に、サロールと草原で生きる覚悟を決めたチョクトだったが…。
ワン・ルイ